今回の秋季研修会では、日常的なにぎわいの創出に向けた取り組みを行っている神戸市東遊園地にスポットをあて、定期的に開催されているファーマーズマーケットを見学、体感し、神戸市の担当課長による東遊園地の活性化並びに再生に関するお話、ファーマーズマーケットのプロデューサーである神戸R不動産の小泉寛明・亜由美御夫妻からお話を伺いました。
当日午前中、ファーマーズマーケットの様子を見学しました。東遊園では、毎週土曜日の午前中、神戸市各地からいろんな農家が参加して、公園の木々の下や芝生の上でマーケットが開催されています。多くの来園者が生産者との会話を楽しみながら買い物をしていました。
午後からは神戸市建設局公園部管理課 福田担当課長から東遊園地の説明と現地案内、ファーマーズマーケットを主催されている小泉ご夫妻のお話を伺いました。
東遊園地は、都心活性化や回遊性向上の拠点としての役割が期待されており、公園利用者のニーズも多様化しています。利用の変化やニーズの把握を行うため、オープンカフェとセットで広場の芝生化実験調査が行われました。芝生の種類と施工方法、芝生保護材、土壌改良材を数種類組み合わせ、10パターン以上の実験区を設け、育成状況の優劣を評価検証されました。また、活性化社会実験として、「アウトドアライブラリー」「ファーマーズマーケット」のプログラムが実施され、様々なイベントプログラムを通して、芝生広場では多くの人がくつろいだり思い思いに過ごす姿が見られるようなりました。平成30年度、にぎわい創出プログラムの継続実施と共に、再整備後の新しい東遊園地における持続可能な管理運営手法やさらなる民間活力導入など、パークマネジメントのあり方について検討が行われ、令和元年度には、にぎわい拠点施設運営事業者、再整備における基本設計業務委託事業者の公募がありました。9月中に選定される予定で、日常的なにぎわいや利活用の創出が進んでいます。
ファーマーズマーケットの発想のきっかけはアメリカのポートランドでの活動だということでした。一番のポイントは、樹木の下、木陰で開催すること。炎天下では売る方も買う方も辛く、やはり木陰の存在が活動を活発にしてくれます。ここに公園の存在が重要な役割を果たし、市民は意識しなくとも公園の存在と良さを認識することになります。
地産地消のメリットに加え、生産者と消費者がお互いの顔を見て取引できる安心感があり、お互いの信頼感が生まれます。また継続することで、大量生産して市場に出荷するシステムになじまない有機栽培農家の生活の支えにもなりつつあると言います。
小泉夫妻はファーマーズマーケットに限らず、他地域からの移住者が働きやすく住みやすい地域づくりの活動をつづけながら、地域に根差したローカルエコノミーの発展に貢献され、神戸市中心部北野地区の活性化に取り組んでおられました。
ファーマーズマーケットチラシ(PDF)
■開催概要
日時: | 令和元年9月14日(土)11:00~17:00 | |
場所: |
神戸市東遊園、KITANOMAD会議室 |
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スケジュール: | 11:00~ | 市役所展望室から東遊園地及び神戸市街を俯瞰 ファーマーズマーケット見学及び昼食(各自) |
13:00~ | 東遊園地の説明と現地案内 神戸市建設局公園部管理課 福田英明担当課長 |
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14:00~ | 徒歩でフラワーロードや北野坂通りを見学しながら会場(KITANOMAD)へ移動 | |
15:00~ | ファーマーズマーケットに関する講演 (一社)KOBE FARMERS MARKET 理事、 EAT LOCAL KOBE FARMSTAND 代表 小泉亜由美氏 ローカルエコノミーの作り方の講演 神戸R不動産、(有)ルーシー、 (一社)kOBE FARMERS MARKET代表理事 小泉寛明氏 |
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17:00~ | 懇親会 | |
参加者: | 21名(支部会員17名、会員外4名) | |
主催: | 公園管理運営士会西日本支部 |