令和2年度秋季研修会「寝屋川公園駅周辺のまちづくり、コロナ禍における公園について」

 今年は新型コロナウイルス感染症の収束気配が見えないため、一堂に会しての研修会ではなく、オンラインによる研修会となりました。
 今回は、昨年3月に、JR学研都市線「東寝屋川駅」から改称された「寝屋川公園駅」の周辺整備など、「公園」を一つのキーワードに進められたまちづくりの事例と新型コロナウイルスによる公園利用の影響及びコロナ禍における公園利用や公園の役割についてご講演をいただき、さらにトークセッションにて公園の持つポテンシャル等について考えました。

 

■支部長あいさつ

 1年前の今ごろでは想定すらしていない新型コロナ・ウイルス感染症ですが、本年になり、急速に拡大して現在第3波の拡大期となっています。
こうしたコロナ禍の環境下、会員各位が公園管理における新型コロナ・ウイルス感染症予防対策への対応、ならびに市民の健康維持への寄与に対するご苦労に対し敬意を表するとともに、今後の、With コロナ時代、ニューノーマル社会で、都市内の貴重な空間である公園緑地に対し、多くの国民に、なお一層、その存在価値、利用価値を高めていただくようご期待申し上げます。

 特に、コロナ禍による新しい生活様式のなかで、免疫力向上や心身共の健康維持、さらに、未来を支える子どもたちの健康増進に緑多き身近な空間としての公園緑地の価値がこれほど高まってきたことは、大震火災等を除き、これまでなかったと思います。

 一方、都市では、人口減少や年齢構成に変化があり、地元経済力の低下に加えて、インフラの老朽化、空き家住宅の増大、気象変動に伴う災害対応等地域創生のための都市更新が喫緊の課題です。
SDGsの目標を掲げて、ウォーカブルシティ(歩いて楽しい街)、スマートシティ(IOTなどICTで高度情報化した街)など、総合的に言えば、いわばリィバブルシティ(住みやすい街)への国民の志向が強くなり、人口移動の要因とすらなりそうです。

 なお、都市公園法が改正され、公園が従来から持つ環境、景観、健康、学習等に加えて、保育所の設置やpark-PFI等による商業施設等の出店など都市公園法に定められた施設の中ではありますが、様々な機能が付加されて、公園緑地が地域や地区のまちづくりに与えるインパクトが従来にも増して大きくなっています。公園を核としたエリアマネージメントの発想が必要となっています。並行して、指定管理者の機能強化等伴う新たな財源確保が大きな課題になっています。

 今回、仲西様からは、寝屋川公園をまちづくりの核として、また、地域のブランド化の象徴として、まちづくりを進めておられる寝屋川市の事例からいろいろ学ぶとともに、小野様からは、Withコロナ時代の公園を考えるヒントを紹介いただくという機会を設けました。
会員の皆様方の関わる公園の管理運営の一助になれば幸いです。

 

■寝屋川公園駅周辺のまちづくりについて(寝屋川市街づくり推進部 次長 仲西 淳氏)

 大阪府営寝屋川公園のある大阪府寝屋川市は大阪と京都の間、北河内地域にあり、京阪電車とJR学研都市線沿線にあります。寝屋川市は、広瀬市長の掲げる、二つの鉄道路線の沿線地域を軸とする「2軸化構想」に基づき、整備の遅れているJR沿線地域の再整備に取り組んでいます。

 その中心となるのがJR寝屋川公園駅周辺で、駅名改称の基となった大阪府営寝屋川公園の南側一帯の区画整理による再整備です。その結果、第二京阪道路と寝屋川公園駅を結ぶ都市計画道路及び誘致したショピングセンター、病院、集合住宅等の一体的なまちづくりが完成しました。

 その起爆剤とも言えるのが「寝屋川公園駅」への駅名改称です。その費用に1億2千万円を要しましたが、駅名改称による地域のイメージアップとそれによる経済効果が475億円と試算されています。まさしく優れた公園が地域に及ぼす効果が活かされた事例と言えます。



■With コロナの時代の公園を考える(コロナ禍における公園の役割について、国内外の実状と対応事例から、公園の持つポテンシャルと利用について)
((一社)公園からの健康づくりネット 小野 隆氏)

 今年の3月から5月のコロナウイルス感染拡大期における各国・各都市の公園の利用は、それぞれの行政の対応により大きく左右されました。しかし、状況が進むにつれ、公園利用は、特に暑い地域を除いて、他の行動よりも速いスピードで増えていきました。それは、人々の欲求と安全に対する理解であると考えられます。

 人間が健康に生きるためには、適度な身体的運動と精神的癒しが不可欠です。公園は、その双方を満たすことができる空間です。テレワークが増え、自宅での業務が増えると、自ずと戸外、近隣の公園への関心が湧き、身体的さらに精神的欲求の充足のために利用が増えたものと考えられます。

 特にわが国においては、経済優先の考え方の中で「二の次」にされがちな公園が、コロナ危機の中で再発見が進んだという事かと思われます。

■トークセッション

 トークセッションの中での三名のお話から、今までの既成概念にとらわれずに、それに対応する公園の新しいあり方にも取り組んでいかなければならないと考えさせられました。また、公園のポテンシャルを高めるためには、公園の恩恵を受ける他の分野、その中でも「予算の大きい所」からのバックアップが重要なのではないかという結論にも至りました。

(文責:大槻憲章)



■開催概要

開催日時: 令和2年11月20日(金)13:30~16:45
開催場所: オンライン会議、寝屋川公園会議室(※定員10名)
参 加 費: 無料
参加者数: 14名
開催内容: 13:30  開会の挨拶(支部長)
13:35  寝屋川公園駅周辺のまちづくりについて
       寝屋川市街づくり推進部 次長 仲西 淳氏
14:40  With コロナの時代の公園を考える
      (一社)公園からの健康づくりネット 小野 隆氏
15:55  休憩
16:05  トークセッション(仲西氏、小野氏、石原支部長ほか)
16:45  閉会
そ の 他: 造園CPD3ポイント

チラシはこちらからご覧ください。
QPA西日本支部令和2年度秋季研修会