平成29年秋季研修会「市民参加による新しい公園づくりの現地見学会」

2017年4月に新しくリニューアルオープンした草津川跡地公園を視察しました。
草津川跡地公園は、全国的にも有名な「天井川」であった旧草津川の跡地を一部整備した公園です。全長約7kmにわたる草津市の「緑軸」となる公園として、多くの市民等でにぎわう公園を目指して四季折々のイベントなどを実施しています。
草津市の担当者の方や管理している方々のお話を伺い、公園に関する様々な課題についてディスカッションしました。

草津川跡地公園見学記
草津市は、現在、草津市総合計画第3期目(平成29年度~平成32年度)として、駅前マンション等の立地により人口が増加し続ける中、「健幸都市」づくり、子育て・教育の充実、「まちなか」を活かした魅力づくり、コミュニティー活動の推進を重点方針として様々な課題に取り組んでいる。特に、JR草津駅周辺の中心市街地の活性化は、草津の魅力度アップに欠かせない案件である。
こうした中、草津川の付け替えにより生まれた旧草津川の廃川敷きの土地利用や利活用は、廃川敷きの一部が中心市街地の近接していることもあり、今後の草津市を考える上で極めて大きな取組であることが覗えた。
草津川跡地公園は、廃川敷きの一部を都市公園として位置付け、その公園事業と中心市街地活性化事業といかに融合させるかが大きな課題であったが、ワークショップやフォーラムにおいて各方面の市民の意見を集め、整備前から市民の活動の場として活用し、デザイン計画を立て、整備後の運営管理を考えるなど、市民、まちづくり会社、テナントとしての商業者、公園管理者(指定管理者含む)、各種ボランティアグループによる協働が結実したのである。
また、草津川跡地公園の他の地区では、利用者のニーズに応え利便性を高めるため、一定の区域を都市公園法の設置管理許可により、民間事業者に事業化を委ね、店舗やMTB貸出、デイキャンプ場などデザイン化された目新しい多彩な公園施設を新設させている。
最近、都市公園法の一部改正が施行されたが、本公園では、改正前の都市公園法においても法律や条例を駆使すれば、公園利活用と地域活性や中心市街地活性化を一体として実現できることに取り組んでおり、今回の見学で、草津市当局の高い見識と知恵と意欲と実現能力の高さに敬服した。
公園は、都市の規模や立地環境によって一概に論じることは不可能だが、公園の持つ資源を再評価し当該地域の喫緊の社会的課題と照らし合わせて、公園のポテンシャルをどのように活かし役立たせるか、人口減少・超高齢化社会の進む中、公園管理運営士の力量が問われていると言えよう。

公園管理運営士関西支部長
石原憲一郎

公園管理運営士会関西支部の秋季研修に参加して
肌寒い晩秋の研修会でしたが、草津川跡地公園関係者の熱い思いが参加者に伝わり、予定時間を大幅に超える熱気に満ちた会となり、大変有意義だったと思います。
私個人としては、同世代のボランティアである、「くさねっこ」の大西さんの「ふるさと草津川愛」に大いに感激し、懇親会でも長らく語り合えたのが幸せでした。
西武造園の河野さんをはじめ、お骨折りいただいた皆様に感謝いたします。

公園管理運営士会会長
糸谷正俊

 

■開催概要

開催日時 平成29年11月30日(木) 13:30~17:00
見学場所 草津川跡地公園(区間2および区間5)
〒525-0032 滋賀県草津市大路2-4-11  TEL:077-562-5010
参加者 10名(内、会員4名)

スケジュール

13:30 集合(滋賀県草津市 JR草津駅前)
13:50 草津川跡地公園(区間2)視察
案内、説明者:河野 優(西武造園)、橋本 敬一(所長)、寺元 豪(区間2所長・日本観光開発㈱)
14:30 草津川跡地公園(区間5)に移動
14:50 草津川跡地公園(区間5)視察
案内、説明者:山中 裕子(区間5所長)、石塚 真由子(維持管理リーダー)、川口 浩平
15:50 教養室にて詳細説明および意見交換
「草津川跡地公園の整備について」
草津市役所 建設部 草津川跡地整備課 整備管理グループ 間宮 豊香(副参事)、森田 洋平(主任)
「草津川跡地テナントミックス事業について」
草津まちづくり(株) 辻 伸一(マネージャー)
「ガーデンサークル グラッシーの活動について」
草津市ガーデンサークル grassy(グラッシー) 副代表 鑑継 栄一
「草津川跡地公園における地域協働について」
くさねっこ 大西 善二郎(運営チーム)
17:00 終了・解散